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2006年2月 9日 (木)

―美しい数学―(つづき)

小川洋子・・・『博士の愛した数式』の作者である。映画を見るか、それとも先に原作を読むかどちらにしようかと、文庫本を買ってあったのだが、まだ、プラ袋から出してもいなかったことを思い出した。

この偶然。これは読まないわけにはいかないと、2冊を並行して読んだ。

小川洋子が『博士の愛した数式』を書いたきっかけは、藤原正彦がNHK教育TVの人間講座で『天才の栄光と挫折』というテーマで話しているのを見て、インスピレーションがわき、数学者を主人公にした小説を書こうと思い立ったことらしい。

藤原先生の研究室に小説の取材に行った小川さんは、先生が、まるで詩を朗読するか音楽を奏でるかするように数学の美について語る様子に打たれ、数学に心酔するようになる。そして小説家としてのイマジネーションをふくらませながら、文学と数学を大胆にして、緻密にそして重厚に、見事に融合して見せたのだ。

『世にも美しい数学入門』で、知識を仕入れてから、『博士の愛した数式』を読むと、言葉の中にキーとなる数字を巧みに散りばめていることに拍手喝采を送りたくなる。

交通事故による損傷で、80分しか記憶がもたない数学者の老博士と新しい家政婦、家政婦の10歳の息子の3人を数学と野球で結びつけた。

フェルマー、デカルト、パガニーニが1組ずつ、オイラーが62組見つけたという「友愛数」。友愛数=自分自身を除いた約数の和がお互いに相手の数となるもの。
これを命名した数学者は詩人だが、小川洋子は最初にこの「友愛数」から大きなインスピレーションを受けたという。

一番小さな友愛数である220と284を家政婦の誕生日2月20日と博士の腕時計の文字盤の裏側に刻まれた、学長賞No.284という数字に配した。二人の「特別である」関係が示される。

息子は野球が好きでタイガースのファン。博士も同じく野球の「数字」にくわしい。そして江夏豊の大ファンである。江夏のタイガース時代の背番号は28。

ここで、28は自分自身を除いた約数の和が自分自身になるという「完全数」であることを発見した小川洋子は、これでこの小説が完成するという確信を得たそうだ。

暗く重くなりそうな物語を数学と野球、数学と文学を融合させる事によって、昇華させ、ユーモアと、慈愛に満ちたロマンティックな作品に仕上げた。心暖まる、読後感が爽やかな作品だ。

さて、「特別な関係」は特別な数字で表せるのだろうか。

たとえば、私の家族3人。

夫と私の誕生日  :  3月25日と9月25日(半年ちがいの同じ日)・・25
夫と私と娘の誕生日 : 西暦の4つの数字を一つずつ足した和が同じ・・23(素数)
私と娘の誕生日  :  誕生月、誕生日をそのまま足した和が同じ・・34(素数)

大学時代の学籍番号  
  私 : 414(よいよ)
  夫 : 417(よいな)

入籍日  4月14日

電話番号 〇〇〇―〇7〇4  (特に指定したわけではない)

2代前の車のナンバー  4747 (特に指定したわけではない)

4と7に魅入られているようだが、4と7はどんな関係なのだろうか?
4はただの偶数、7は素数
4の約数は1・2・4。全部足すと7になるけれど・・・。

4と7,7と4・・・あっ、掛けると28!完全数だった。

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コメント

私も買ったまま開いていない小川洋子さんのこれがあります。
ご推薦に従い、藤原先生との共著を読んでからにします。
藤原先生は新田次郎さんの息子さんですよね。
早速注文、注文と。

投稿: negioya | 2006年2月 9日 (木) 18時50分

negioyaさん
もう、注文されたんですね。(早!)ブログで拝見しました。
この記事を取り上げてくださって、ありがとうございました。

やっぱり、数学をする人とは頭の構造が違うのではないかというのは、私の変わらない思いですが、(埃をかぶっていた「非ユークリッド幾何・・」を開いてみたけれど、相変わらずチンプンカンプンだったから・・・。こういうものであるという程度の理解でよいかと妥協。)数学向きの頭でなくても楽しめるものもあるという事を発見しました。

そうです。藤原先生は、新田次郎さんと藤原ていさんの息子さんです。

投稿: まりママ | 2006年2月10日 (金) 09時03分

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