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2012年5月18日 (金)

小児歯科の標榜

昨日行った保育園の歯科検診でのこと。

「右上A、まる(治療済み)、いやC(むし歯)かな?かけてるみたいだし・・・」

「先生、4月20日に治療済みの紙を持ってきてますが・・・。」

「・・・・。」

また別の子の乳臼歯のつめものは、明らかにむし歯が残っている。

残っているというより、表面のむし歯を取っただけで詰めてしまったという感じ。

麻酔なしで削ったから痛いと言われて削るのやめて詰めた?

進行の早い、小児のむし歯は、歯髄との間に防御層ができていないことが多く、削ると痛みを感じることが多い。そのため、きちんと治療するには局所麻酔が必須なのだが、この麻酔注射を嫌がる子どもがほとんどで、治療する側も、できればしたくないと思ってしまう。

「最近できた近くの『小児歯科』に行ったようなのですが。DVDがあったり、遊ぶスペースが広くて人気らしいですよ。」

現在歯科医院では、個人の自由裁量で、「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」「小児矯正歯科」の標榜ができる。

このうち「小児歯科」の標榜は、他の診療科に比べ、著しく増加し、2009年には、全診療施設の60%弱38,700施設に達しているとされる。

一方、日本小児歯科学会の2009年における会員総数は4250名にすぎない。

まあ、学会に入っていなくてもきちんとした治療がなされていれば問題はないのであるが、『医療現場では、不適切な対応により齲蝕の拡大・重症化を被る小児患者が珍しくなく、標榜施設の増加が必ずしも小児歯科医療の質の向上につながっているとは言えない状況』であると、先日開催された小児歯科学会の記念講演でも指摘されていた。

まさにそのような状況を、保育園の歯科検診で垣間見たというところだ。

歯科医院の軒数は全国のコンビニの数より多いと言われ、一歯科医療機関当たりの平均患者数は、1965年には32.6人だったのが、2008年には18.6人に減少している。必然的に小児患者も取り込むべく、小児歯科の標榜が増えたものと思われるが、治療の質を担保していない歯科医と、インフラだけで歯科医院を決めてしまう保護者との狭間にいる子どもたちが、かわいそうだと思わざるを得ない。

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コメント

まりママさん、お久しぶり。

歯科に限らず、医療機関は本当に自信のある科目だけを掲げるべきで、看板を賑やかすだけの標榜はやめてもらいたいものです。患者さんにとっても不利益なことですね。

私は相当なところまで矯正治療はしますが、標榜はしていません。矯正の先生に失礼じゃないですか。
よっぽど田舎で矯正専門医がいないというなら別ですが、外科ケースで手術場に入って、口腔外科の先生に指示できるくらいでない限り、矯正歯科の標榜はすべきでないと思っています。

投稿: おカマと来た湯屋 | 2012年5月19日 (土) 21時03分

しりあげむしさん

おっしゃるとおりだと思います。

うちも正式な標榜は、歯科・小児歯科です。
ただ、患者さんから矯正もしているかと聞かれたことがあったので、電話帳の広告には矯正の文字も入れてます(^_^;)
(2年間研修し、研究会にも入り、定期的に研鑚しているのでお許し願って・・・。)

矯正歯科ではなくて、小児矯正歯科なら標榜してもかまいわないでしょうかね?

投稿: まりママ | 2012年5月21日 (月) 00時48分

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