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2012年10月30日 (火)

医科・歯科連携

昨日は、『骨粗鬆症診療の現状と今後の展望』という演題で、近畿大学医学部奈良病院 整形外科・リウマチ科の宗圓 聰先生の講演が、医師会と小野薬品工業(株)の共催で、行われた。

あわせて、日本で創薬された、初めてのマンスリーのビスフォスホネート製剤で、強力な骨粗鬆症治療薬「リカルボン錠(ミノドロン酸水和物)50mg」の紹介が小野薬品の方からあった。

ビスフォスホネート製剤による副作用で顎骨壊死の報告もあることから、歯科医師会の会員にも招待が来たのだった。

小野薬品の方からは、1人に一枚ずつタクシーチケットがあらかじめ配布され、当日の受付でも、タクシー券を配っていた。また、会議のできる料亭で行われたので、講演終了後の懇談ができるようにセットされていたり、至れり尽くせり。

いつもこのように接待されているんだなと思うと、医師との格差を感じてしまった。

さて、ビスフォスホネート製剤(BP製剤)は、骨粗鬆症の治療にはなくてはならないもので、椎体骨折や、大腿骨近位部骨折の予防にはかかせないものであるとのこと。

もしこれらの骨折が高齢者で生じた場合、生命予後の低下は甚だしく、寝たきりになると、5年生存率が50%だという。

服薬して、顎骨壊死が生じるリスクは0.1~2、服薬しないと、大腿骨近位部骨折が起きるリスクが44、椎体骨折では200以上・・・。

なので、BP製剤投与3年以上で骨折のリスクが高くないと診断される患者さん以外は、歯科治療時の休薬はしない方針であると宗圓先生はおっしゃる。

抜歯等の歯科治療で顎骨壊死が生じる原因として「感染」が考えられるが、これは、骨に蓄積したBP製剤に細菌が吸着しやすいのと、BP製剤が、好中球を抑制するからであろうとのこと。

骨吸収を抑制するばかりか、骨形成も抑制してしまう薬が、難治の顎骨壊死をひきおこす。

骨吸収を抑制するが、骨形成は促進するような薬剤*ならいいが、まずは感染を生じさせないように、口腔ケアをしっかりして口腔内を清潔にすることが必要である。

お医者様には、是非、BP製剤を投与する前に、「まず歯医者さんに行って口の中をきれいにしてもらって来て下さい」と患者さんに歯科受診を勧めていただきたいものだ。

医科・歯科連携として。

*副甲状腺ホルモン(PTH)のテリパラチドは、骨形成を促進する。重症の骨粗鬆症の治療に用いられる皮下注射薬。薬価がとても高いのと、安全性の問題で、投与期間に18か月・24か月の制限がある。

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コメント

BP剤を服用している年配者は多いですね。と言っているうちに自分たちもお世話になるかもしれませんが…

今までは、内服剤でのBRONJの発生は低いと言われていましたが、このような長期作用型の薬が広まると、また変わってくるかもしれず、頭が痛いところです。

整形の先生は、BP剤治療を始める前には、口腔内がきちんと管理されていることを確認してほしいものです。

投稿: オカマと来た湯屋 | 2012年10月31日 (水) 07時51分

おカマと来た湯屋さん

おっしゃるとおりですね。
あとは、糖尿病の患者さんにも、口腔内管理を積極的に勧めていただきたいですね。

投稿: まりママ | 2012年11月 1日 (木) 01時55分

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