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2016年4月30日 (土)

小児歯科医の仕事 Ⅲ

小児の歯科治療で、緊張しているのは、当事者のお子さんだけではありません。付き添っているお母さんも、大分緊張されています。

なので私は、お子さんの治療中に、お母さん方が思わず頬を緩めるような一言を、それとなく言うことを心がけるようにしています。

お母さんがリラックスすれば、お子さんにもだんだん伝わっていくことが多いからです。

先日、私の20年余り前の治療中につぶやいた言葉に対して、思いがけず感謝のお言葉をいただき、大変うれしく思ったことがありました。

テニススクールでお会いした男の方から、コーチが呼ぶ私の苗字を聞いて、もしかしたらと思ったらしく、「〇〇先生ですか?」「実は娘が小さいときにお世話になって・・・」「家内が、先生のことをとても気に入って通っていたのです。」と話しかけられました。

「娘が、治療中に寝てしまったそうで、それを見た先生が『治療中に眠れるなんて、この子は大物になるね』と言ってくれたと家内が喜んでいました。」「それからは、『大物になる』という言葉が励みになって、なんでもやってこれたんです。ありがとうございます。」

お嬢さんは今、東京で頑張っていらっしゃるとのこと。

お名前を聞いて奥様のお顔を思い出しました。二人姉妹で通われていて、私が「大物」と言ったのは妹さんの方だったということは、昔のカルテを引っ張り出してみてわかりました。

まだ幼稚園の年少~年中さんの時、小さいので最初はいろいろ嫌がっていましたが、治療中痛くないので安心して寝てしまったようです。

はじめに、お子さんやお母さんは緊張していると書きましたが、実は、術者である私も内心緊張しているのです。お子さんが不意に動いた場合、安全に回避できるかとか、なるべく痛くなく局所麻酔の注射ができているか、麻酔の効果が出て痛みがなく削れているかなど、気を使うことが多いのですが、この時は、治療はうまく行っていると安堵でき、寝てしまった娘さんに対して感謝の気持ちから出た言葉だったのでした。

お子さんがリラックスすれば、私もリラックスできるのです。

        *神岡歯科医院のHPはhttp://kamioka-dc.jp/

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