歯科医療

2018年3月 2日 (金)

評価が「1」って?

お店探しや医院探しに、インターネットで検索することは当たり前になってきました。

それで、その時に口コミを参考にすることも多いと思います。
この間、歯科医院を検索していてびっくりしました。
うちの歯科医院の口コミの評価が「1」だったのです!
何でも、自分の指定した治療をしてくれなくて、痛みが治らなかったとおこっていらっしゃいます。
夫が担当した患者さんのようでしたが、そもそも、歯科医に治療法を指定するのはいかがなものかと思いましたし、実際どのような応対だったのかを、アシストについた歯科衛生士に聞いてみたところ、「先生は『その方法はうちではしていないし、できないので、最初にやってもらった歯医者に行ってください』と何度もおっしゃってました。患者さんの方が無理を言っていると思いました。」とのことでした。
その患者さんのレントゲン写真を探して診てみたところ、姑息的な治療では治らないだろうし抜歯が適応かもと思われる歯でした。
夫にも聞いてみたら、「出張中で1回しか来れないというし、抜歯もしたくないらしいし、根治も中途半端だったし、薬で抑えておこうと思った」とのことでした。
感染した歯の根管の治療はデリケートですし、1回でできるものではありません。
ほかの出張先の歯医者さんでは、患者さんの言い分に負けて、症状が出ない程度の貼薬をしていたのだろうと思われます。その程度の治療でも、初診でいらっしゃれば「感染根管治療」としての診療報酬が算定でき、収入にもなりますから。
きちんとした治療をしないで、無駄な治療を繰り返すのは、保険診療の財源を余分に使ってしまうことにならないでしょうか。
お痛みがなかなか良くならなかったのはお気の毒ですが、融通の利かない歯医者もいるので、この際きちんとした治療をなさってほしいと思います。
それにしても、☆ひとつとは・・・。営業妨害ですよ。
神岡歯科医院のHP→http://kamioka-dc.jp/

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2016年7月 1日 (金)

小児歯科とDVD

赤ちゃんの授乳時、お母さんは赤ちゃんと目を合わせてアイコンタクトをとることが大切なのですが、赤ちゃんはそっちのけでスマホやTVを見ながら授乳される方も増えたとか、幼いお子さんの子守をTV・ビデオ任せにしているとかということを聞くたびに、ちょっと嘆かわしいことだと思っていました。

それと、歯科医院でお子さんにDVDを見せながら治療するということを、同じように、邪道ではないかと思い、最近までずっと食わず嫌いをしていました。

ところが、2年前にお試しでポータブルのDVDを診療台に取り付けてみてから、いちがいにそうとも言えないないことに気が付きました。

すべてのお子さんにうまくいくとは限らないのですが、たとえば、麻酔の注射をする時など、DVDで自分の好きなアニメを見ていると、そちらに気を取られて、針を刺す瞬間に動かないでいてくれるので、あまり痛みを与えずに注射をすることができるとか、歯を削る機械の音があまり気にならなくなるとか、お子さんにとっても、術者にとってもプラスとなることがあるのです。

また、お母さんに説明する時など、お子さんが静かにしていてくれるので、お母さんも、お子さんに気を取られることなく、こちらの説明に集中してもらえます。

こういう道具は、いかにうまく使うかが問題なのだなと、改めて実感しているところです。

まあ、あまり一生懸命にDVDを観すぎて、私たちの言っていることが聞こえなくなるのが玉にきずですが・・・。

     *神岡歯科医院のHPはhttp://kamioka-dc.jp/

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2016年5月 1日 (日)

小児歯科医の仕事 Ⅳ

月に2回行っているカルチャーセンターの講座でご一緒の、私と同年配の看護助手の女性から、「恥ずかしいから黙ってたんですけど、実は息子が小さい時、むし歯の治療をしていただいたんですよ。」と打ち明けられました。

「ドみそな子で泣きべそだったんで、縛り付けられて・・おさまえられて治療してました。」

と言われた時、大変ショックを受けました。

女性のお顔を覚えていなかったことと、その方がいまだに『縛り付けられて』と思っているということに。

小児歯科の治療では、暴れたり多動のお子さんが、安全かつ確実に治療を受けられるようにするためにレストレイナーという抑制具を用いることがあります。

ネット(網)のついたベッド状の台で、バスタオルにくるんだお子さんを寝かせてネットを上からかけて体を抑えて動けないようにするものですが、確かに、見た目は縛られているかのように映ったのかもしれません。

高速回転する切削器具を狭いお口の中に入れて操作するむし歯の治療では、動かれるととても危険です。動かないように言っても言うことを聞けず、すぐに手が出たり、起きたり、暴れ出したりするお子さんは、動かないように抑える必要があります。

かといって、全力で暴れるお子さん相手に、人手で押さえることはとても難しい。中途半端な力では負けてしまいますし、負けないように力を入れると今度は押さえたお子さんの腕や手首にうっ血した痣をつくりかねません。また、抑える方が疲れて、ふっと力が抜けた時に動かれてしまうこともあります。

その点レストレイナーなら、持続的に抑えていられるし、のれんに腕押し的なところがあって、お子さんの体には優しいです。

このようなことを説明し、了解を得た上、レストレイナーを使ったはずなのですが・・・。

どのような状況だったのか、調べてみることにしました。

息子さんのお名前は聞いてなかったのですが、以前の会話から年齢がわかっていました。
苗字と性別、年齢から、診療所のレセコンで数名が検索されました。その数名のカルテの内容を調べ、初診が低年齢、レストレイナーを使用してでも早期に治療しなければならないようなむし歯が多数あった人を探したところ、該当者が3名いました。

その3名の初診は、うちの診療所が一番混んでいて忙しい時でした。そのうち2名は同じ日に受診していました。

また、3名ともむし歯の治療がすべて終わった後に、1度も定期検診に来院していませんでした。

忙しかったから、今より説明の時間が取れなかったかもしれません。
むし歯が大きくて早期の治療が必要だったことと、予約がいっぱいで次の予約まで日にちがかかってしまうので、トレーニングを早めに切り上げ、治療するまでのアプローチを少し急ぎすぎたかもしれません。

時間が足りなくて、本当に理解、納得しての治療でなかったから、「縛り付けられた」と思ったのかもしれません。

負のイメージが払しょくされず、だから定期検診にまた来ようと思わなかったのかもしれません。

定期検診にいらしてないので、お顔も覚えられなかったのでしょう。

過去の治療を反省する良い機会をいただきました。

       *神岡歯科医院のHPはhttp://kamioka-dc.jp/

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2016年4月30日 (土)

小児歯科医の仕事 Ⅲ

小児の歯科治療で、緊張しているのは、当事者のお子さんだけではありません。付き添っているお母さんも、大分緊張されています。

なので私は、お子さんの治療中に、お母さん方が思わず頬を緩めるような一言を、それとなく言うことを心がけるようにしています。

お母さんがリラックスすれば、お子さんにもだんだん伝わっていくことが多いからです。

先日、私の20年余り前の治療中につぶやいた言葉に対して、思いがけず感謝のお言葉をいただき、大変うれしく思ったことがありました。

テニススクールでお会いした男の方から、コーチが呼ぶ私の苗字を聞いて、もしかしたらと思ったらしく、「〇〇先生ですか?」「実は娘が小さいときにお世話になって・・・」「家内が、先生のことをとても気に入って通っていたのです。」と話しかけられました。

「娘が、治療中に寝てしまったそうで、それを見た先生が『治療中に眠れるなんて、この子は大物になるね』と言ってくれたと家内が喜んでいました。」「それからは、『大物になる』という言葉が励みになって、なんでもやってこれたんです。ありがとうございます。」

お嬢さんは今、東京で頑張っていらっしゃるとのこと。

お名前を聞いて奥様のお顔を思い出しました。二人姉妹で通われていて、私が「大物」と言ったのは妹さんの方だったということは、昔のカルテを引っ張り出してみてわかりました。

まだ幼稚園の年少~年中さんの時、小さいので最初はいろいろ嫌がっていましたが、治療中痛くないので安心して寝てしまったようです。

はじめに、お子さんやお母さんは緊張していると書きましたが、実は、術者である私も内心緊張しているのです。お子さんが不意に動いた場合、安全に回避できるかとか、なるべく痛くなく局所麻酔の注射ができているか、麻酔の効果が出て痛みがなく削れているかなど、気を使うことが多いのですが、この時は、治療はうまく行っていると安堵でき、寝てしまった娘さんに対して感謝の気持ちから出た言葉だったのでした。

お子さんがリラックスすれば、私もリラックスできるのです。

        *神岡歯科医院のHPはhttp://kamioka-dc.jp/

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2016年3月30日 (水)

小児歯科医の仕事 Ⅱ

Yasuda
小児歯科で行う歯並び・かみ合わせの治療は、口の中、ひいては全身の健康を損なうであろう障害を取り除き、健全な成長ができるような手助けをすることだと思っています。

たとえばこのお子さん、乳歯の時から少し場所が足りなくて心配していましたが、永久歯に全部生えかわった時、お口の大きさに比べて、永久歯がかなり大きく、並びきれませんでした。

唇も閉じづらく半開き状態で、お口の中は乾燥しやすく、むし歯や歯肉炎にもなりやすい状態です。口が開いていると口呼吸にもなりやすく、全身的な問題も生じてきます。

唇の力を付ける練習だけでは解決できない時は、矯正治療をお勧めします。

ご本人もご両親も矯正治療を希望したため、小臼歯を4本抜歯して矯正し、お口が楽に閉じられるようになりました。鼻呼吸も楽にできています。

抜歯する前の12才5か月時の口元に比べ、治療の終わった14才11か月の口元はしまっています。さらに、成長期で下顎が大きくなり、鼻も高くなったため、18才4か月時のプロファイルはとても良くなりました。

イケメンの彼は、この4月から大学生になります。

      *神岡歯科医院のHPはhttp://kamioka-dc.jp/

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2016年3月 1日 (火)

小児歯科医の仕事

Photo
1歳半の時から診てきた男の子が、今年高校を卒業します。

アンパンマンよりバイキンマンが好きで、歯磨きが大嫌い、お母さんをてこずらせ、泣かないで診療台に寝ることがなかなかできなかったお子さんでしたが、熱心なお母さんが定期検診に通って下さったおかげか、何とか、治療が必要なむし歯もできず、歯肉炎も問題にならない状態で永久歯列に交換しました。

ところが14歳10か月の定期検診の時、左下に比べ右下の12歳臼歯の生え方がおかしいと思ったのでパノラマX線写真を撮ってみたところ、親知らずの歯胚が、12歳臼歯の背に乗りかかり、12歳臼歯が倒れているかのような画像を認めました。

口腔外科の先生にお願いして、親知らずを摘出してもらい、12歳臼歯は、3Dリンガルアーチという装置で傾きを直すことにしました。

それ以前、生えかわった小臼歯が捻転していたため、すきまが残っているうちに、その捻転を矯正して直したらどうかとすすめた時に、本人が歯の表側に装置を付けたくないからと矯正を断念したことがあったので、この時の矯正治療を受け入れてくれるか懸念がありましたが、使うのは歯の裏側の装置であることと、レントゲンを見て本人が治療の必要性を理解したため、協力を得ることができました。

彼は、上顎の12歳臼歯の形成が遅く、口腔内に萌出するまでだいぶ時間がかかりました。ようやく右側が出てきたので、しばらく様子を見ていましたが、左側がなかなかでてきません。17歳2か月の時のパノラマ写真では、明らかに左右差が認められました。

そこで、再び、口腔外科の先生にお願いして、左下に埋伏している親知らずの抜歯とともに、左上の12歳臼歯の部分の開窓をしてもらいました。

開窓した部分に周りから歯肉が被覆してこないような処置をし、自然に萌出して来ない場合に牽引できるような準備をして経過観察をしていたら、なんと半年くらいで自力で出てくれました。

右下12歳臼歯の傾斜も治り、装置を外したときのパノラマ写真が一番下、17歳10か月の時のものです。

これで、8028を目指す基礎ができました。

小児歯科医は、お子さん本人とお母さんと3人4脚でむし歯予防・治療、歯肉炎予防に取り組み、外傷の予防・治療をしたり、歯列・咬合・機能・軟組織などの異常を軌道修正させるべくコーディネートしたり、ポテンシャルが発揮できるように手を貸したりして、将来、1本も歯を失わないような永久歯列・咬合の土台を作るお手伝いをすることが仕事なんだなと、この症例を通して実感したのでした。

最適な時期に最適な最小の関与ができたらと思います。

   *神岡歯科医院のHPはhttp://kamioka-dc.jp/   

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2012年5月18日 (金)

小児歯科の標榜

昨日行った保育園の歯科検診でのこと。

「右上A、まる(治療済み)、いやC(むし歯)かな?かけてるみたいだし・・・」

「先生、4月20日に治療済みの紙を持ってきてますが・・・。」

「・・・・。」

また別の子の乳臼歯のつめものは、明らかにむし歯が残っている。

残っているというより、表面のむし歯を取っただけで詰めてしまったという感じ。

麻酔なしで削ったから痛いと言われて削るのやめて詰めた?

進行の早い、小児のむし歯は、歯髄との間に防御層ができていないことが多く、削ると痛みを感じることが多い。そのため、きちんと治療するには局所麻酔が必須なのだが、この麻酔注射を嫌がる子どもがほとんどで、治療する側も、できればしたくないと思ってしまう。

「最近できた近くの『小児歯科』に行ったようなのですが。DVDがあったり、遊ぶスペースが広くて人気らしいですよ。」

現在歯科医院では、個人の自由裁量で、「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」「小児矯正歯科」の標榜ができる。

このうち「小児歯科」の標榜は、他の診療科に比べ、著しく増加し、2009年には、全診療施設の60%弱38,700施設に達しているとされる。

一方、日本小児歯科学会の2009年における会員総数は4250名にすぎない。

まあ、学会に入っていなくてもきちんとした治療がなされていれば問題はないのであるが、『医療現場では、不適切な対応により齲蝕の拡大・重症化を被る小児患者が珍しくなく、標榜施設の増加が必ずしも小児歯科医療の質の向上につながっているとは言えない状況』であると、先日開催された小児歯科学会の記念講演でも指摘されていた。

まさにそのような状況を、保育園の歯科検診で垣間見たというところだ。

歯科医院の軒数は全国のコンビニの数より多いと言われ、一歯科医療機関当たりの平均患者数は、1965年には32.6人だったのが、2008年には18.6人に減少している。必然的に小児患者も取り込むべく、小児歯科の標榜が増えたものと思われるが、治療の質を担保していない歯科医と、インフラだけで歯科医院を決めてしまう保護者との狭間にいる子どもたちが、かわいそうだと思わざるを得ない。

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